自分ごと化プロジェクト
~マインドフルネスの活用を通して自分ごと化を活性化~
最近特に、「グローバル人材の育成」や「社会課題の自分ごと化」等の言葉をよく耳にします。こうした言葉を聞くと、「違う国の誰か」、「課題に直面した他の人」に意識が行きがちです。しかし、他者のことを自分ごと化するためには、そもそも自分のことを自分ごと化していることが大前提です。真のグローバル人材の育成、自主的かつ持続的な自分ごと化の発生のためには、自分ごと化が生まれた体験への丁寧な気づき、そして自己や他者へのマインドフルな気づきとコンパッションが不可欠であると考えます。
よって、自分ごと化プロジェクトは、こうした体験を通して自分ごと化が生まれる場、そして自分ごと化が起こることによっていかにイキイキ・ワクワクが生まれるかということに気付くことができる場を創造することを目指しています。
そのため、自分ごと化プロジェクトセッションでは、
01.各セッション前に、今この瞬間の自らの状態に気づくマインドフルネスの実践を行う
02.「自分ごと化」が起こりやすくなる仕掛けを盛り込んだ多国間での対話を行う
03.対話後に自らの体験について詳しくかつコンパッションを持って振り返り、また、より実りのある学びのためにすべきことを自分で考える
を実施しています。
なぜこの活動を始めたのか
2020年8月6日にUN75 in Hiroshimaというイベントに参加させていただいた際、いかに被爆地広島においても、軍縮問題を「自分ごと」として捉え、声を上げ、活動を起こしている若者が少ないかを痛感しました。
軍縮問題に限らず、日本内外で起こっている社会課題をどのようにしたら、皆が「自分ごと」できるのかということを深く考えるようになり、「自分ごと化プロジェクト」という活動を始めました。
内容・目指すこと
自分ごと化プロジェクトは、SEE Learningの教育モデルを応用することで、
①自己と他者に関する事柄を「自分ごと」として認識すること
②「自分ごと化」した学びの内容をより良い世界のために活用すること
を他人から言われて行うのではなく、自ら能動的に行う、行いたくなるプログラムであることを目指しています。
これまでの成果
学校での実施について
広島市立高校
2022年度より、通年の英語授業の担当(通年を通してグアテマラ、フィリピン、インドネシアの現地高校とのオンライン交流を実施)
アフガニスタン、グアテマラの私立高校とのセッションそれぞれ4回ずつ
広島県立高校
フィリピンの私立高校とのセッション3回
インドネシアの大学生との交流2回
東京私立中学校
アフガニスタンの私立高校とのセッション5回
神奈川県私立中高一貫校
グアテマラの私立高校とのセッション6回
のべ472名の日本人参加者、343名の相手国(アフガニスタン, ドイツ, グアテマラ, ルワンダ, インドネシア)の参加者とのセッション実施の経験もあり
一般向けの活動について
2020年11月から、オンライン(ZOOM)で、毎週土曜日の20時から1時間〜90分間、英語で日本と世界各国の若者の交流を図り、互いの国・文化・暮らしなどを知ることができる場を提供してきました。
活動ブログ
これまでの活動記録を掲載しています。
ポーランド、アフガニスタン、グアテマラ、レソト共和国など、様々な人々と国際交流を行いました。
広島県教育委員会と共同開催した活動も掲載しています。
伝えたいこと
「ウクライナを始めとした世界各地での争い、環境問題、人種やジェンダーに関する差別など、世界には様々な課題が山済みです。」
「新型コロナで思い知らされたように、未曾有の事態がいつ起こってもおかしくありません。」
このような事を聞くと、心がずーんと沈む人、「自分になんて。」と思う人、たくさんいらっしゃると思います。情報過多ともいわれる現代、未だかつてなかったほどネガティブな感情に囚われやすくなっているとも言えます。だからこそ、ありのままの自分に気付くところから始め、自分のペースで受け止め、寄り添い、まずは自分のことを自分ごと化する。そして、自分ごと化したことを世界中の人たちと共有する中で、彼らの自分ごと化の形にも出会い、自分ごと化の輪を広げていく。
これからの将来を担う世界中の若者が、自分ごと化を通して感じる歓びを体験し、各々が持つ可能性を最大に発揮したい!と思い、そしてできるように。
こういった想いで、セッションを計画し、実施しています。