6月13日に日本×ルワンダ第5回目のセッションを行いました。
今回は社会格差・不平等をテーマに、経済、ジェンダー、文化、地域など様々な視点から見る格差問題に注目しました。
日本側からは、ジェンダー、教育、部落差別の問題を取り扱いました。中でも公衆衛生の視点から見た教育格差の話は興味深かったです。
学歴の長さと死亡率の高さに関連性があること、皆さん考えたことありましたか?右端のグラフは、学歴別の喫煙者の割合を示しています。中学卒から大学院卒まで、学歴が高くなるにつれて喫煙者の割合が低くなっていることがわかります。学歴と死亡率の直接的な関係はもう少し深く研究する必要がありますが、少なくとも教育格差と人々の健康になんらかの因果関係があることは説明できます。
私たちの普段の生活の中でも、タバコを吸う人をよく見かけると思います。「こんなに健康に悪いのに、なぜタバコを吸うのをやめないんだろうか。副流煙で被害を受けるのは周りの人なのに。」そう思ったことがある人、少なくないと思います。
ですが、これって学校の保健の授業で習った話ですよね。そう考えると、今回のプレゼンを聞いて、「もし私も教育を受けてなかったら、違う考え方になっていたかもしれない。」と思った人もいたのではないでしょうか。
一方ルワンダ側は、経済、文化、ジェンダーの視点からプレゼンテーションを行いました。
特に印象的だったのは、女性の社会進出についてで、ルワンダは議会の61.3%以上が女性議員(2021年1月時点)であるなど、男女平等先進国として知られていることがわかりました。議会の半数以上が女性とは、驚きました。しかしながら、日常生活に目を向けると、女性が家事をし、男性が働きに出て生計を立てるといった伝統的な価値観も残っているという事実も知ることができました。
ブレイクアウトルームに分かれてのディスカッションでは、プレゼンテーションの質問として出た、「両国でジェンダー格差の克服のためにどのような取り組みが行われているか」について話しました。
あるグループでは、特定の職業に対する性別の適性についての社会認識の変化や、制服の選択の自由について話しました。例えば「看護師」というのも昔は「看護婦」と呼ばれており、女性の職業として考えられていました。制服に関しても、女子はスカート、男子はズボンというように、規定されることに対する議論も起こっています。
そのディスカッションの中でルワンダ人の一人の参加者が言ってくれた言葉がすごく心に残っているので皆さんに共有したいと思います。
We are the change. The change is us. 私たちこそが変革だ。変革こそが私たちだ。
これに対して日本人の参加者たちも、「ルワンダの女性の強さに元気をもらった。」「彼女のように人の心を動かすようなスピーチができるようになりたい。」と言っていました。
いろんな人がいる世の中で、全ての人が同じゴールを持って前に進むのは、本当に難しいことだと思います。それでも、一人一人に社会を変えられる力がある。世界の平和構築は足元から。それを改めて実感しました。
次回6月20日は、いつものセッションとは少し形式を変え、【自分ごと化プロジェクト番外編ーパレスチナの若者の声を聴こう】を開催します。
時間は21:00から22:30とさせていただきます。
日本でも毎日のようにイスラエル・パレスチナ間の問題が報道されていましたが、この問題がいつどのように始まって、今、何が起きているのか、4人のパレスチナ人をゲストに迎え、特別企画を開催します。
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